ビジネスモデルを歴史に学ぶ
ビジネスモデルとは何か、と言われた時に答えようとすると言葉に窮してしまう、ビジネスモデルとはそんな言葉です。つまり、特別に定まった定義・定説といったものが存在していない言葉と言えます。
したがって、起業するにはビジネスモデルを考えることが大事ですと言われたとしても、どのようにすればよいのか迷ってしまいます。このような「ビジネスモデル」と考えられるものの歴史を見てみます。
今では当たり前になったビジネスモデルとして、百貨店業態やスーパーマーケット・コンビニエンスストア・フランチャイズ・通信販売・クレジットカードなどがありますが、これらも作り出されたビジネスモデルです。
百貨店はフランスで、前述したそれ以外の物はアメリカで作り出されたモデルとされます。小さなものはそれこそ人類の歴史の古くから存在したでしょう。まず初めには「取引」ということを考え出したこともモデルと言えるでしょう。
歴史上の大きな転換点と言える一つに、「大航海時代」があります。それまでは一定の地域内だけに限られてきたビジネスモデルの規模が海を越えて広がったものになったからです。そんな中で、オランダやイギリスが興した「東インド会社」は有名ですね。
イギリスの東インド会社の場合だと、イギリスでの需要の高い「茶・香辛料」をインドや中国で獲得し、インドでは「毛織物・綿織物」などを売る。また、アヘンの需要を中国に生み出しインドから中国へ持っていきました。
こうして、人道上の是非はともかくも各地域でそれぞれ需要がある物と調達できる物を組み合わせ、利益を効率的に生み出せるような世界的な仕組みを作りました。世界規模でのビジネスモデルの始まりと言えます。
日本では、浮世絵などの文化を組み合わせたビジネスモデルがやはりあったと言えます。ただ、日本全国を視野に入れたものの始まりは明治維新のころとなるでしょう。ビジネスモデルについては坂本竜馬の存在が大きいと言えます。
坂本竜馬は維新時期の「志士」としての名が大きいですが、それ以外にユニークなビジネスモデルを作り実行していきました。関門海峡を封鎖して、通る船からの「通行料」の獲得を目指しました。大阪と博多との2つの経済圏の仲介をビジネスとしたのです。
両者の成功したビジネスモデルを見てみると、共通することが見て取れます。確実な利益が見込めるという効果面と、想定したモデルを実行できるだけの能力を容易に用意できた点です。
このように考えると、成功するビジネスモデルを考えるにあたって、歴史にも学ぶべきところがたくさんあると言えます。