札幌の税理士事務所で働くスタッフのブログ

札幌の税理士事務所で働きながら、様々な角度から記事を書いています。

簿記上の小切手と当座預金について

私たち個人がめったに扱わないものに「小切手」があります。小切手と聞きますと、資産家や企業などが支払う際に用いられることが多いので、人によっては無縁なものとなりますが、簿記の中では非常に多く用いられます。

 

これは、複式簿記の特徴としてそうなっているわけであって、あくまで原因と結果を見られるようにするためにあるのです。つまり、先ほどの小切手も会社や国で扱う金額が個人の領域ではないために難解になるというわけです。

 

とはいっても、扱うことがないというだけで、「聞いたことがない」という人はいないはずです。海外などの映画では小切手を使うシーンなどは見られますし、海外に行った人であれば、「トラベラーズチェック」を使ったことがあるかと思われます。

 

ただ、今ではクレジットカードが主流なので、トラベラーズチェックを使う人はあまり見ませんが、小切手自体は企業など今でも使われています。現に、簿記試験などでも現金の種類として小切手という項目があります。

 

さて、その小切手ですが、当座預金から引き出すことができます。当座預金とは、銀行と当座契約というのを結びます。利息が付かない無利息である代わりに小切手を振り出すことができます。

 

小切手の利点は、盗難や紛失に遭いにくいことです。個人間ではない買掛金などの多額の契約の際に大量の金額を持ち歩くわけにもいきません。数えるのが面倒ですし、盗難に遭ったら面倒です。

 

この二重の面倒をなくすためにも、当座預金と小切手は必要なのです。簿記に戻りますが、当座預金の項目は何にあたるのでしょうか。答えは「資産項目」となり、現金と同じになります。

 

ただ、ここで混乱してしまうのが、預金の扱いと現金の扱いです。よく設問や実取引でも、「100円の現金を預金に入れた」という取引があれば、仕訳では預金に資産、現金に負債の項目、つまりは現金の減少となります。

 

単式簿記に慣れている人は理解できないかもしれませんが、理屈としては、ここの現金とは「あるべき場所からの減少」を意味しています。つまり、通常の取引では口座・財布などを別々ですが、口座も現金扱いしている場合があります。

 

これを考えると、「現金は減少しているのはおかしい」となり、口座が資産と負債に現金というのが納得できないのです。また、非常に難しく感じるのが、1社のみでしたら小切手=現金ということで簡単に仕訳することが可能です。

 

問題は小切手がめぐり巡って小切手が振り出してくることがあるので、口座預金と小切手は要注意ということになるのです。

 

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