月次決算・試算表作成(資産)の実際
締日を月末としている会社は多いでしょう。
当月末の各資産・負債額を締めて、残高を確定し、その時点での損益の各科目も締められて当月の利益を導き出します。
月次の試算表を正確に出していくと決算はとてもスムーズに進められますので、頑張りましょう。
まずは、当月末日の業務終了時点で、現金を締めるところから始まりますね。
預金の方は、翌月1日に通帳記入、又は、データを金融機関から送って貰うなどして前月(当月)末時点の残高が解ります。
最もはっきり解るのは、翌月初1日の取引が1件でもされている場合です。
前月(当月)末時点の残高をはっきりと確定させられます。
また、決算時などですと、口座の残高証明書を金融機関に発行してもらう事もできますね。
受取手形の当月末残高は、前月末の残高に当月受取分の手形金額をプラスして、当月入金され回収された手形金額を差引きして出る残高となります。
売掛金の当月末残高も受取手形と同じく、前月末に当月発生売掛(掛売上高)金額をプラスし、当月入金(回収)金額分を差引きます。
現金実際有高、預金通帳残高、受取手形帳の当月残高、売掛金管理資料、これらの金額と試算表のそれぞれの金額が一致している事を確認しましょう。
会社の売上締日を月末とせずに、20日にしているなど、締日が異なる場合もありますね。
決算を迎えると、決算日時点での貸借の残高と損益を決算書に記載します。
ところが、売上の締日が月末でなく20日である場合、21日から月末までの売上端数分を売上に計上するのが理想的です。
これに習うと、毎月の試算表を作成するにも、21日から月末までの端数を計上していくのかどうなのかという事になります。
21日からの10日間程度の売上端数分と、仕入の締日から月末までの端数も計上し、当月の請求書金額から前月の端数分を差し引く必要がでてきます。
純粋な当月分売上と仕入を計上し費用と収益を対応させるのです。
端数を毎月計算するのは、結構手間が掛かります。
会社の売上の端数は、納品書控の21日から末日までの分を集計し、当月請求額にプラス、そして前月端数分をマイナスします。
仕入の端数は、仕入先からくる請求書の締日を確認し、それぞれの仕入先締日以降の端数を計算する必要が出てきます。
仕入先、外注先の納品書を月初から月末まで集計して当月の仕入(買掛金)を確定した方が早いかもしれません。
売上・仕入共に、請求書の金額で計上する会社は多いと思います。
決算でさえ端数を出さずに計上する会社もある程です。
取引先が多いと手間がかかるという難点が出てきます。
ですが、より正確な売上と売上原価を出し、正確な売上総利益や粗利を把握しようとすると、きちんとする方がいいという事になりますよね。
正確な売上高の中の売掛金と、仕入高の中の買掛金を計算するのは、望ましい作業です。
商品の残高も、月初棚卸しと月末棚卸しをきちんとする事で、正確な売上原価が出せます。
これは、粗利や利益率の重要性を、会社がどの様に考えているかが表に出てくる作業です。
減価償却が必要な固定資産は、月割りで減価償却金額を出して、直接資産を減少させる方法をとっていれば、毎月資産額が減少・変化していきます。
当月資産残高の算出の仕方も、前期までのやり方を習っていく事になるでしょう。
手間を省き、より正確で、前期の同月試算表と比較できるように処理していきましょう。