札幌の税理士事務所で働くスタッフのブログ

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メンタル・アカウンティングについて考える

メンタル・アカウンティングについて考えていきたい。企業、政府をはじめ教会までもが会計システムを導入し、金銭の流れを追いかけ、分類整理している。一方、人はメンタル・アカウンティング・システムを持っている。

 

脳がファイル・キャビネットのようなメンタル・アカウンティング・システムを持っていると想像してもらいたい。それぞれの意思決定、行動、結果は異なるフォルダに保存される。

 

フォルダには、その意思決定に関するコストと利益も記録される。いったんフォルダに結果が記録されれば、それを見直すことは困難である。メンタル・アカウンティングの結果は、予想外に意思決定に影響を及ぼす。

 

人は予算を用いて、その消費をコントロールしようとする。脳はメンタル・バジェットにより、それぞれのメンタル・アカウントについて、消費から得る便益とコストを一致させる。財・サービスの消費に伴う苦痛を、投資の損失と同じように考えてもらいたい。

 

また、財・サービスの消費から得る便益を、投資から得る利益と同じように考えてみよう。メンタル・バジェットは、感情的な苦痛と喜びを結びつけるものなのである。旅行のように短期間で消費される財・サービスの場合には、負債を回避しようとする傾向がある。

 

そして、財・サービスの消費期間に支払い期間を一致させようとする。例えば、家や車、テレビを購入するときにローンを組むのは一般的である。なぜならこれらは消費するのに長期間かかるからである。

 

負債を活用することにより、支払い期間と消費期間を一致させることができるのである。しかし、人はすでに消費済みのものについてローンを組むことを好まない。

 

旅行代金のローンは、短期間の消費に比べて長期間の支払いをするものであり、あまり利用されない。人は労働に対して賃金を前払いされることを好まない。なぜなら、長期の負債と比較して快楽は短期だからである。

 

ゆえに、先に労働し賃金を後で受け取るほうが好まれる。伝統的な経済学では、人は意思決定に際して、過去と未来のコストと便益を考慮するものとされる。

 

しかし実際には、人は過去の回復不能なコストを考慮して将来の意思決定を行う。これをサンク・コスト効果とよぶ。メンタル・アカウンティングは異なる投資を異なるアカウントに分離しようとし、それぞれ個別に判断を行う。

 

アカウントごとに損益の評価の基準も異なる。多くの投資家が同一の株式について実現していないキャピタルゲインやキャピタルロスを抱えている場合、バイアスのある取引により株価が影響を受けることがある。

 

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