低コストのネットワークの利点について
低コストのネットワークの利点について書いていく。インターネットの使用者が負担するコストは、ISPのアクセスポイントまでの電話料とISPに支払う接続料である。
いったんインターネット網の中に入ればその後は無料であり、インターネットを介して国内、世界中と通信が可能である。ISPに支払う接続料も、インターネットユーザーの増大、およびISP間での競争の激化によって急速に低下してきた。
ISP業界には、当初、資本力の脆弱なベンチャー企業も多かったが、競争の激化とともに大幅な再編が進んでいる。低コストの情報通信ネットワークは、ビジネスネットワークヘの参加の敷居を低くする。
従来であれば、情報通信ネットワークを活用したビジネスネットワークに参加する場合、設備および通信料などにかなりのコストを要した。したがって、自ずとネットワークの参加者は限定せざるを得ない。
インターネット網を活用することによって、これらのネットワーク費用の多くを節減することが可能になる。
ネットワークの主宰者は、自社のサーバー上にデータベースを構築し、データベースの情報をウェブベースで検索し、ネットワーク参加者とデータのやり取りができる仕組みを構築して、自社のサーバーをインターネット網に接続する。
ネットワークの主宰者は、面倒で費用のかかる情報通信ネットワークの管理から開放される。ネットワークの参加者は、自分のパソコンをインターネット網に接続し、ブラウザを使ってネットワーク主宰者のサーバーにアクセスすればよい。
特殊な端末機を導入する必要もなければ、高い通信料を払ってネットワークのノードに接続する必要もなくなる。特殊な処理をするプログラムが必要であれば、ネットワーク主宰者のサーバーからダウンロードして使うことができる。
ネットワークヘの参加コストが低減すれば、より多くの参加者を集めることが可能になる。店頭における商品の売れ行き情報、顧客のユーズ情報が小売店から卸、メーカーヘと伝えられていく。
モノの流れとしてのサプライチェーンに対して、情報の流れとしてのデマンドチェーンが必要になる。このようなデマンドチェーンを情報通信ネットワークで支援するために、EDIが使われてきた。
しかしながら、EDIは専用線を中心とした付加価値ネットワークで構成されており、かなり多額の費用を要する。したがって主に利用するのはトラフィック量が多い大企業だけで、中小あるいは零細企業にはあまり普及していない。
しかし、インターネットの普及にしたがって従来のEDIより格段にコストが安いウェブEDIの仕組みが現れ、徐々に普及し始めている。