札幌の税理士事務所で働くスタッフのブログ

札幌の税理士事務所で働きながら、様々な角度から記事を書いています。

多国籍展開のリスクを軽減するために

数多くの日本企業が海外に進出をしています。海外の売上比率もどんどんと高まっている企業も多く、縮小する日本市場であってもグローバル規模で成長を目指していこうとしています。

 

しかし、海外に出ると言うことはそれだけリスクも大きいのです。どれだけ仕組みとしてリスクをヘッジするかどうかが重要な経営要素になります。

 

まずは、グローバル戦略の中で、1国あたりの売上に占める比率を一定水準以下に抑えることが重要です。例えば、ある欧州系の自動車メーカーは、世界各国の売上比率は15%以下にするというルールを強いていました。

 

リスクがない国はありえません。グローバルビジネスにおいて、自社が手におえるリスクの範囲を明確にし、数値化し、仕組化することが、欧米流のリスクマネジメントです。

 

中国進出が芳しくない日本企業、特に中小企業においては、過剰なリスクを中国市場に取ってしまったというケースが散見されます。自社の体力や能力を度外視し、自社が手におえない範囲のリスクを事業に組み込んでしまっては、有事の際に吹っ飛ぶのは当然。

 

リスクを軽減するためには、例えば台湾企業や大陸以外の華人系の企業と提携することがお薦めです。現在コンビニチェーンをはじめ、中国進出している企業の2割程度がアセアンベースの華人企業や台湾企業と手を取っています。

 

彼らは大陸中国の事情を良く理解し、そのリスクをよく理解していながら、中国に比べて透明性と公平性が高い経営をしています。日本人に欠けた要素を提供してくれることでしょう。

 

勿論、パートナーにノウハウを全て持って行かれるというリスクは無くはありませんが、相手の資源を利用しつつ、相手をコントロールしていくという術を身に着けていく必要があります。独力で莫大なリスクを取るよりはましだと言えましょう。

 

また、拠点の分散を図ることも重要です。サプライチェーンの一部分で特定地域や特定企業に過度に依存していると、そこが止まると世界中で生産がストップしてしまします。

 

更にはバックアップ生産拠点と言う考え方も重要です。例えばあるエアコンメーカーは、中国にはメインとなる工場を置きながら、バックアップ工場としてマレーシアにも展開をしています。万が一中国で大きな問題があっても、自社の生産を止めないためです。

 

中小企業はこのような発想を特に導入するべきです。日本国内の工場は100人程度しかいないのに、中国で調子がいいからと数千人の工員を抱えているという状況も生まれています。

 

中国のカントリーリスクは確かに高まっており、生産拠点の増設は他国で行うということは極めて普通のリスクマネジメントです。

 

上記のような考え方を導入し、リスクを限りなくコントロールしながら海外事業を展開していきましょう。

 

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