札幌の税理士事務所で働くスタッフのブログ

札幌の税理士事務所で働きながら、様々な角度から記事を書いています。

未婚の母に寡婦控除の適用が必要だと感じます

社会保障制度は現代社会において欠かせない仕組みだと思います。古来から人と人とが関り合いを持つ中で、大きな社会を形成していく上で近代化が進められてきました。

 

未成熟な社会に中では厳しい生存競争とやや乱暴な扱いが市民に対してなされることもありましたが、近代化が進むとより効果的な方法で基本的人権の尊重や、生活の質の向上が図られるようになりました。

 

その中で、国や自治体が主体となって実施される社会保障制度には大きな期待が寄せられています。とかく問題点が指摘されることが多いですが、一定の役割を果たしていることは間違いありません。

 

このことは逆に不平等感を抱かせることにもつながっています。基よりある事例に対して救済措置が存在しなければ、発生しなかった不満や要求が顕在化することがあります。

 

そうしたもののひとつとして寡婦控除の制度があります。その成り立ちはかなり以前に遡り、戦争で夫と死別した女性を救済する制度としてスタートしています。

 

このことが、現代のシングルマザーに不公平感をもたらすことになっています。事情はどうあれ、片親であることに変わりはないのに、婚姻歴がないと寡婦控除の適用対象から外れてしまうからです。

 

寡婦控除という制度の下では、婚姻歴のないシングルマザーが除外されることは、法律の適用としては何ら問題はないのでしょう。しかし社会保障の枠組みとしてはいかがなものかと感じます。

 

同様に片親であるという生活基盤の脆弱な家庭を救済するという理念に立ってみれば、何らかの措置が必要であることは明確ですし、既存の制度があることからも行政も認めるべき事情だと思います。

 

時代の変化とともにシングルマザーの存在感は増しています。こうした状況を見て、一部の自治体では寡婦控除の適用を運用上拡大するとして、給付を始めたところもあります。

一方で、今現在結婚していない母親について、法律上の差別に当てはまるのかという議論もあります。社会保障の前提が弱者救済という考え方に基づくものだからです。

 

結婚観や家族観が変わってきたこともあり、片親が必ずしも社会的弱者とは限りません。自ら婚姻をせずに子供を育てるという選択をした人もいて、一概に同じ扱いをすることは適切ではないと思います。

 

所得状況や子育ての環境などを総合的に判断して、社会保障を給付する必要があるかをきちんと見極める仕組みが必要だと思います。その上で、寡婦控除制度はやはり必要だとも思います。

 

よく考えられた制度と適切な運用が効果のある社会保障の給付につながると思います。実費としての給付額とともに、運用に関わる費用も併せて財源の確保が急務です。

 

中央区で近くの税理士を探すなら税理士中央区comがおススメ!