札幌の税理士事務所で働くスタッフのブログ

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1つの行為を2つの視点で記録するとはこういうことです

個人事業を始めて一年以内に困惑するのが、税の確定申告です。特に、経理のことなどは全く考えていなかったという人も多いでしょう。しかし、申告期限までに行わなければならなくなってあわてたくはないですね。

 

今は高機能で使いやすい「青色申告ソフト」も多く出回っていますが、自動で行うのは基本的に集計と決算書の作成です。つまり、数字を正しく入力して計算させるために正確な入力が必要なのです。

 

この点、「簿記」の知識が無くても簡単に青色申告できる、とうたっている「青色申告ソフト」ですが、やはり、一定程度の知識が無いと正確な決算書が作れません。そこで大事なのが、「複式簿記」の考え方です。

 

ここでは、「複式簿記」の考え方について説明していきます。「簿記」には、単式簿記と複式簿記がありますが、青色申告を行うときには原則として複式簿記で作成した帳簿に基づく決算書によらなければなりません。

 

この理由は、納税を正しく行うためには正確な書面が必要であり、複式簿記はこの目的に適うものだからです。複式簿記によれば、1つの事柄を2通りの視点で記録していくためにチェック機能が十分にあるのです。

 

では、「1つの事柄を2通りの視点で記録する」とはどういうことでしょうか。ここから具体例を挙げていきます。まず、「商品を仕入れた」場合を考えてください。単式簿記だと、「商品仕入れ」とだけ記録することになるのでしょう。

 

しかし、継続的に営業する場合、「仕入れ」行為は日々繰り返される行為となります。たとえ、日付を記録していても同じ日にいくつもの取引先から「仕入れ」をすることもあるでしょう。

 

そこで、複式簿記では「仕入れ」行為を「代金支払い行為」と「商品獲得行為」との両面で記録していきます。これをセットにすると、一方では財産が減った行為として、もう一方では財産が増えた行為として記録されます。

 

また、「代金支払い行為」も必ずしも「現金払い」だけではありません。手形や小切手を振り出して支払うこともあるでしょうし、クレジットカードによる支払いもあります。長年の付き合いになれば、つけ払いということもありますね。

 

こうした行為も対応した「勘定科目」と使って記録できます。手形払いは「支払手形」という勘定科目を使いますし、つけ払いでは「買掛金」という勘定科目になります。他方、「商品獲得行為」は「仕入」勘定でモノが入ったことを記録します。

 

こうした「モノ」の動きをそれぞれに記録していくのが2つ(以上)の視点から、という意味になります。

 

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